それは9年前になくなった祖父です。

祖父は口数の少ない人でした。けど黙って自ら行動する姿に

まだ若かった(幼かった)私は、いつも黙って祖父の背中を見て

いました。

正確に言うと祖父のその背中を見て何かを学んでいたのだと

思います。

孫が9人いる中で、なぜか私に対してはものすごく厳しかった。

小学校、中学校の頃は「なぜ私にだけ祖父は厳しく接するのか」

いつも疑問でした。「俺の事もちょっとは可愛がってくれよ!」って

思った事は何回もあります。

しかし高校の時くらいから、祖父の私に対する厳しさが愛情であ

ると少しずつですが判り始めました。

それはふとしたきっかけからです。

それは高校では中学の時の担任の先生の計らい(?)で自分の

学力以上のコースに入れられました。

正直目の前が真っ青でした。

でも入ったからにはやり遂げてやろうと思い、とにかくガムシャラに

クラスに付いて行きました。しかし、周りは一つランクの高い高校

でも行けるようなツワモノばかりで、なかなか下の方から上へ上が

れませんでした。

正直自信もなくしてました。いわゆる”落ちこぼれ”です。

ほんと毎日学校へ行くのも辛かったです。

そんな時、担任の先生が国語の担当で、その先生の趣味もあって

漢字の難読語の暗記を猛烈にさせられました。

その時にうちの祖父が会う度に「これは何て読む?あれは何て読

む?」っていろいろと漢字を教えてくれました。

たぶん母から当時の私について、いくらか聞かされていたのでしょ

う。当時、気持ちが滅入り、半分ノイローゼ気味だった私にはその

祖父から漢字を教わっている時間が癒しの時間でもありました。

そして何とか3年間、クラスにも付いて行く事ができ、何とか卒業

証書を手にする事が出来ました。


その後は後日書きます・・・



                            (ユンカース